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市街化調整区域だから売却?実は賃貸の方が有利だったケース

目次

相談内容

父の代から使ってきた倉庫ですが、本業では利用しなくなりました。
売却して整理したいと思う一方、市街化調整区域にあるため価値が低いとも聞いています。
修繕して貸すべきか、それとも売却してしまうべきか判断できず、ご相談いただきました。

オーナー様概要

先代から続く事務服の製造・販売を営む法人。子は2人いるが、いずれも会社員として勤務しており、代表者自身も事業を承継させる考えはなく、子どもたちにも承継する意思はない。事業自体も受注が減少傾向にあることから、自身の代で事業を終える考えである。

物件概要

項目評価
市街化調整区域内売却▲
土地:約600坪賃貸◎
前面道路:幅員約5.5m
※通学路のため、平日7:30~8:15は車両通行禁止
賃貸△
建物:約200坪(建築年:昭和50年頃)追加投資必須△
高速道路IC出口から約500m賃貸◎

大型車両の進入禁止路線

検討概略

STEP
市街化調整区域である

売却しても安い価格で売らざるを得ない。

STEP
活用の可能性を確認

役所へ相談。建替えは可能だが、同じ用途に限定して許可。⇒買う側としても用途が限られる不動産には評価しにくい。つまり売値は高くならない。

STEP
建物の劣化状況

雨漏りが生じている。修繕するにはある程度の出費が必要であるが、負担できない金額ではない。

STEP
賃貸の可能性検討

高速ICから近く、通学時間帯の交通規制がネックではあるが、物流拠点としての需要はありそう。

STEP
売却と賃貸の比較

5年程度賃貸すれば、売却益を超える見立て。雨漏りの修繕費を要するが、2年程度で回収可能である。

STEP
売却せず保有のまま賃貸募集することに

想定通りの条件で無事にテナントがみつかる。

市街化調整区域とは?

都市計画で定められた、市街化を抑制する区域のため、再建築時の「用途」が限定されてしまいます。用途とは、住宅・共同住宅・店舗・工場など利用形態のことですが、工場の場合は「工場」であれば何でもよいわけではなく、食品加工工場として許可された建物を半導体製造工場として利用することはできません。

結論

本業で利用しなくなったことに加え、自宅から車で約90分と管理がしにくい立地であったことから、当初は売却を希望して相談をいただきました。

しかし、検討を進めた結果、市街化調整区域という特性から売却価格は低くなる一方で、事業用倉庫としての賃貸需要は見込めると判断しました。そのため、修繕を行ったうえで賃貸募集を行う方針としました。

物件周辺には事業用倉庫が少ないことや、通学路に指定されていることなどから、賃貸需要には不安もありましたが、最終的には無事に賃貸運用を開始することができました。

今回重視した判断軸

市街化調整区域だから賃貸するとは限らない理由、

  • 家族(自社)が利用する可能性
  • 事業を替えて承継させるのか
  • そもそも実現したいことは?
  • 売らなければならないか?
  • 資産との関係
  • 現状維持ではだめか?

売却したいという最初のご希望でしたが、この「市街化調整区域」という物件特性やオーナー様の「家族背景」を踏まえると、売却が正しい選択ではないと結論付けられました。

詳しくは、下記ページに判断軸から検討した

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この記事を書いた人

宅地建物取引士/公認不動産コンサルティングマスター/相続対策専門士
23年以上にわたり、不動産売買・活用・相続に関する相談に従事。

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